完全版ステップガイド:レザーバッグの正しいお手入れ方法
レザーバッグは高級感漂うデザインと優れた耐久性で多くの人々から愛されています。定期的なお手入れが、状態維持や寿命延長に良いということは知られていますが、自宅で直接管理をする方法について正確に把握することは難しいですよね。間違った方法でお手入れをした場合に大切なバッグを傷つけてしまわないか心配にもなるかと思います。
そのためこちらのガイドではレザーバッグを安全に、隅々までお手入れする方法をステップごとにご紹介しようと思います。ご自宅でお使いいただける道具や製品から様々な汚れを除去する方法、起こりやすいミスをお教えします。こちらのガイドを通してバッグのお手入れと管理についての気になる点を解決してみましょう。
レザーバッグをお手入れするための必須道具及び製品リスト
レザーバッグのお手入れを本格的に始める前に、必要な道具と製品を事前に準備するとさらに簡単かつ楽にお手入れしていただけます。
お手入れに必要なオススメアイテム
- 粘着クリーナー
- 柔らかい白い布 3枚
- 中性洗剤 または レザークリーナー
- 綿棒
- 金属磨き
- レザーコンディショナー
ステップガイド:ご自宅でのお手入れ方法
下記ガイドをご参考いただきますとご自宅でも安全にレザーバッグをお手入れしていただけます。
Step 1: バッグの中身をすべて取り出す
全てのポケットと収納空間を確認し、中にあるアイテムを取り出してください。カバンを裏返してから軽く振ってほこりなどを振り落としてください。
Step 2: バッグの内側を掃除する
小さくて幅が狭い掃除機をお持ちでしたら、そちらを使用しバッグの内部をきれいに掃除してください。
もしくは内側の生地を表に返して粘着ローラーを使用しほこりを除去しても良いです。汚れがある場合は濡れた布で優しく拭いてください。また裏返す前に完全に乾かしてください。
Step 3: バッグの表面を拭く
乾いたマイクロファイバークロスでレザーバッグの外側表面を優しく拭き、ほこりや汚れを取り除きます。
Step 4: 洗剤溶液を準備する
レザークリーナーを使用すればより良いですが、用意がない場合には温かい水に中性洗剤を混ぜた溶液をご使用いただいても良いです。熱い水や強力な洗剤はレザーを傷つける可能性があるためご使用は避けてください。
Step 5: バッグの外側をお手入れ
柔らかく清潔な布を溶液に浸し水分を充分に絞った後、レザーバッグの表面全体を優しく拭いてください。色落ちを防ぐため白い布のご使用を推奨します。
Step 6: バッグを乾かす
清潔かつ乾いた布で残っている水気を拭いた後、残った水気を乾燥させるため一晩、自然乾燥をしてください。ヘアドライアーなど熱を加える道具はレザーを傷つける可能性があるためご使用は避けてください。
Step 7: 金属のお手入れ
綿棒に金属磨きを付けてクロージャーやジッパーなどの金属装飾を拭いてください。このとき金属磨きがレザーを傷つけないようご注意ください。
Step 8: レザーコンディショナーで管理をする
レザーコンディショナーを使用するとバッグを保湿し柔らかな質感を保つことができます。一般的に柔らかい布にコンディショナーを付け円を描くように優しく擦れば良いですが、コンディショナーのメーカーの仕様方法により変わることがあります。
保管する前にもう一度、自然乾燥をしてバッグを乾いた状態にしてください。
Step 9: 正しく保管する
レザーバッグをダストバッグに入れ立てて保管すると綺麗な状態を維持できます。ダストバッグがない場合、直射日光が当たらない涼しく暗い環境で保管してください。そうすることでレザーの老朽化を防ぐことができます。
レザーバッグの染み抜き
一般的にレザーバッグは日常的な使用では簡単に損傷しませんが、それでも汚れてしまう時があります。正しい管理を通して汚れを落とせばバッグを長い間きれいにお使いいただけます。こちらでは汚れの種類ごとに除去方法をお教えします。
インク汚れ
インク汚れは最も落としづらい汚れの中の一つですが、アルコールを活用すれば効果的に除去することができます。まず、綿棒を消毒用アルコールで濡らします。その次に汚れた部分を円を描くように優しく擦ってください。この時、汚れがかなり目の付くところにある場合は、目立たない部分で先にテストをしていただくのが良いです。稀にアルコールがレザーを乾燥させたり変色させる場合があります。その際には汚れを落とした後、レザーコンディショナーを塗ることで復元できる場合があります。
水汚れ
レザーバッグに水が飛ぶと乾く際に跡が残ったり変色が起こる場合があります。変色を最小化するためには、水が付着してすぐに拭き取ることが大切です。すぐに拭くことができない場合は残った水分を乾いた布で軽く叩き吸収させた後、自然乾燥してください。すでに跡が残ってしまっている場合は、マイクロファイバークロスにレザーコンディショナーを塗り円を描くように擦ってください。時間が経過した汚れの場合、市場で販売されているレザークリーナーの使用を推奨いたします。水汚れを防止するために、防水スプレーやワックスを事前にご使用いただくのも良いでしょう。
油・グリース汚れ
油汚れを落とすときは絶対に水を使用してはいけません。清潔で乾いているマイクロファイバークロスやタオルで油を素早く拭き落としてください。レザーに染み込んでしまった油を効果的に除去するには、片栗粉や重曹、ベビーパウダーを汚れた部分の上に振りかけて一晩、放置してみてください。それでも汚れが残っている場合には水と白酢を1:1の比率で混ぜた後、溶液を布につけて優しく擦ってください。
泥・ほこり汚れ
湿った泥がバッグに付いたときは、レザーに泥が深く染み込まないように、濡らした布で軽く優しめに拭き取ってください。拭く力が強すぎると泥が深く染み込んでしまう可能性があります。乾いた泥やほこりはまず、柔らかいブラシを使い優しく取ってあげると良いです。そして、必要であれば布にレザークリーナーを付けた後汚れ部分を拭き取り乾かしてください。ほかの汚れ除去方法と同じく、仕上げの段階ではレザーコンディショナーをご使用いただくと良いでしょう。
レザーバッグを管理する際にありがちな間違い
レザーバッグを綺麗な良い状態で維持するためには正しい方法で管理をすることが重要です。こちらではレザーバッグを管理する際によく起こしてしまう間違いについてご紹介します。
- 水の使い過ぎ:汚れ落としには水が最も良いと思われますが、多すぎる水量を使用するとむしろ汚れが広がったりカビができる可能性もあります。レザーバッグに水が直接触れると水による跡が残ることもあるため、布に水を付けてご使用いただくことが良いでしょう。
- 強力な化学製品や洗剤の使用:レザーは耐久性が優れた素材ですが、アルコールなどの強力な化学製品や洗剤を使用すると損傷することがあります。このような成分はレザー表面の天然油を除去し乾燥させてしまい、変色を招く恐れがあります。そのため、レザー専用クリーナーとコンディショナーをご使用いただくことが最も安全な方法です。
- 強く擦りすぎている:レザーを強く擦りすぎると表面に傷がついてしまったりひび割れしたりして、レザーの天然油が損傷してしまうことがあります。マイクロファイバークロスや柔らかいブラシなどの刺激を最小化することができる道具を使用して優しく円を描くように拭いてください。
- 熱を使用して乾かす:レザーが熱にさらされると固く乾いてしまい簡単に割れたり損傷してしまう可能性があります。また、染料の変色や脱色が起こる場合もあります。レザーは自然乾燥によって乾かすことが最も良いとされています。
- ウェットティッシュで拭く:一般的なウェットティッシュには化学成分が含まれており、繰り返し使用するとレザーが剥がれたり割れてしまう可能性があります。レザーは専用クリーナーを使用し管理するのが最も良いですが、専用クリーナーがない場合にはウェットティッシュよりも中性洗剤を水で薄めた溶液をご使用ください。
- レザーコンディショナーの過度な使用:レザーコンディショナーを過度に使用すると油と水分がレザー内部に閉じ込められ、ベタベタとかたまる可能性があります。レザー素材には微細な穴があるため、穴が詰まって通気性が落ちないようコンディショナーは薄く均一に、必要な時だけ塗るほうが良いです。
レザーバッグのお手入れ周期
レザーバッグのお手入れ頻度は、使用状況や保管環境によって異なりますが、目安として以下を参考にしてください。
お手入れの目安:
- 使用頻度の高いバッグは少なくとも月に1回はクリーニングするのがおすすめです。汚れが付きやすい場合は、乾いたマイクロファイバークロスで表面のホコリや汚れを軽く拭き取ることを、毎日または必要に応じて行ってください。
- 使用頻度の低いバッグは、3〜6か月に一度を目安にお手入れしてください。
- シミや液体が付着した場合は、すぐに拭き取ることで、革へのダメージや色移りを防げます。
- また、数か月ごとにレザーコンディショナーを塗布することをおすすめします。これにより革のしなやかさが保たれ、乾燥やひび割れを防ぐことができます。なお、コンディショナーはバッグの革の種類に適したものをお選びください。
レザーパターン別、特徴及び管理方法
上記の一般的な管理方法に従えば、大部分の天然レザーを良い状態で維持することができますが、レザーの種類が多様な分、すべてのレザーに適用できるケア方法はありません。各レザーの特徴に沿ってケア方法は違いが生じることがあり、何よりもブランドで提供する管理ガイドがあるときにはそれに従うことが最も良い方法です。
フルグレインレザー(Full grain leather)
最高級の革であるフルグレインレザーは、最外層を削り取っていない自然なシボと質感が評価されています。フルグレインレザーは、最も強い結合力を持つため、非常に耐久性に優れています。実際、使い込むほどに魅力が増し、時とともに美しい風合いが生まれます。フルグレインレザーのバッグのお手入れは、優しいクリーニング製品で軽く触れるだけで十分です。
- 強い溶剤や化学製品は使用しないでください。色味や質感が変形することがあります。
- 柔らかいマイクロファイバークロスにぬるま湯と中性洗剤を付け軽く拭いてください。(擦るのは×)
- レザークリームやコンディショナーを使用して保湿してください。
トップグレインレザー(Top grain leather)
革の中で2番目に高級なトップグレインレザーは、最外層を研磨またはバフ仕上げすることで、傷や汚れを取り除き、滑らかで均一な仕上がりを実現します。そのため、トップグレインレザーはフルグレインレザーよりもわずかに薄く、傷や汚れがつきやすいという欠点があります。
- 必要な時だけお手入れをして、1年に1~2回ほどレザーコンディショナーを塗布し管理してください。これによって、レザーが乾燥するのを防止し汚れからも守ることができます。
天然レザー(Genuine leather)
上記の2種類の革に比べると最高級の革ではありませんが、自然な傷を取り除くために磨き上げられた、より手頃な価格の革です。バッグや靴、ベルトなどのアクセサリーに最もよく使われる革です。定期的なクリーニングと、優しい製品を使ったレザーコンディショニングを行うことで、バッグを新品同様の状態に保つことができます。
- 天然レザーは必ず必要な時のみお手入れしてください。過度なお手入れは天然オイルを落とし表面を乾燥させてしまう恐れがあります。
スエードレザー(Suede leather)
柔らかくベルベッドのような質感を持つ高級レザーで、動物の皮の内側を加工して作られます。しなやかで柔軟な一方、耐久性は低いため、丁寧なお手入れが必要です。
- ほこりの除去:綺麗で乾いた布で優しく拭いてください。この時、毛羽立ちのない布を使用してください。
- 汚れを落とすには:厚手の布と中性洗剤を少量含ませた水を使用してください。布がほんの少し湿っている程度にし、優しく拭いてください(水分が多すぎるとスエード素材を傷めます)。白酢や消毒用アルコールなどのシンプルな洗剤も汚れ落としに最適です。
- 頑固な汚れには:頑固な汚れやシミを落とすために設計されたスエード専用ブラシを使用し、優しく一方向に往復ブラッシングしてください(円を描くようにブラッシングしないでください)。これにより、毛羽立ちを防ぎ、柔らかさを保つことができます。
パテントレザー(Patent Leather)
光沢感が際立つレザーで、表面に特殊なコーティングを施し、滑らかで艶やかな仕上げがされています。この輝きを保つためには、特別なお手入れと注意が必要です。
- 必ずパテントレザー専用コンディショナーをご使用ください。一般的なレザークリーナーはコーティング層を傷つける恐れがあります。
- コンディショナーは直接塗布しないでください。強力な溶剤の場合表面を汚してしまう恐れがあります。
- 必ず、全体に塗る前に目立たない部分で先にテストをしてください!
- 一般的におすすめしたいケア方法はマイクロファイバークロスに中性洗剤溶液を付け、軽く拭いてあげることです。パテントレザーは毎日、毎週のようにお手入れする必要はありません。
ホワイトレザーバッグの変色を防ぐ方法
ホワイトのバッグをお使いいただいたことがある方は、バッグが黄ばみ変色したことがあるのではないでしょうか?ホワイトバッグが変色してしまう原因としては以下が挙げられます。
- 紫外線への露出 — 太陽光のUV(紫外線)がレザーの化学成分を分解し、黄ばみの原因となります。
- 酸化作用 — レザーが空気に触れることで酸化が進み、黄色い化合物が生成されることがあります。
- 熱と湿気 — 高い温度と湿度はレザー表面を分解し変色を誘発する可能性があります。
- 素材の特性 — 一部のレザーは、施されたコーティングによって変色しやすい場合があります。
- 不適切な保管 — 通気性があまり良くない環境では変色・変形などがより早く起こります。
変色の原因を知っておくと、これらを防止して綺麗な状態を維持することができます。下記はホワイトバッグの変色を防ぐためのコツを5つをご紹介いたします。
- 直射日光を避け保管する
- 高温多湿な環境を避け、涼しく湿度の低い場所で保管する
- 2週間に一度柔らかい布と水で拭いてあげる
- お手入れ後や湿気にさらされた場合には、完全に乾燥させる
- 定期的にレザーローションを塗り、ほこりや汚れの付着を防止する
専門業者によるクリーニングが望ましい場合
ご自宅でコツコツとレザーをケア・管理してあげるのも良いですが、永久的なダメージを防いで寿命を延ばすためには、適切なタイミングで専門クリーニングに依頼することをおすすめします。レザーバッグの専門クリーニングが必要かを判断するためには、状態を綿密に点検しなければなりません。もし、ひどい汚れ、変色、亀裂など深刻な損傷の兆候がみられる場合は、必ず専門的なレザークリーニングを依頼してください。
ご自身でしていただくレザーバッグお手入れの最も大きなメリットは低価格なコストです。レザー専用クリーナーやコンディショナーを購入される場合でも、一般的に専門業者に依頼するよりはるかに安価に収まるでしょう。また、バッグを業者に預けるとなると数日から長くて何週間とバッグを使用できないこともあります。半面、ご自身でお手入れしていただくと大切なバッグをいつ受け取れるのか心配になるということもなくなります。
しかし、プロのバッグクリーニングサービスは、拭き掃除や埃払い以上のものを提供します。プロのバッグクリーニング業者は専門知識、道具、そして技術を有しており、その処理方法は家庭では再現不可能です。徹底的なクリーニングに加え、多くのプロのバッグクリーニング業者は、バッグの輝きを一部、あるいは完全に取り戻す修理・修復サービスも提供しています。プロのクリーニングを受けたバッグには、将来のダメージを防ぐ革新的なハイテク保護コーティングを施すこともできます。頑固な汚れや、くすみ仕上げ、金具などにも問題がある場合は、プロのクリーニング業者が染み抜きや金属研磨技術を用いて、これらの摩耗による劣化を修復してくれます。
結論として、お持ちのレザーバッグが大切な思い出や金銭的価値を持つものであれば、定期的に専門のクリーニングサービスを利用することをおすすめします。プロの手に任せることで、大切なバッグを長く最良の状態で保つことができます。
レザーバッグを定期的にお手入れすることは手間に感じられるかもしれませんが、特に頻繁に使うバッグや、大切にしているバッグであれば、良い状態を長く保つために大きな助けとなります。長く愛用したい「愛用バッグ」があるなら、適切な道具や製品を選び、正しいケア方法を身につけて継続的にセルフケアを行うのがおすすめです。 また、「治療より予防」という言葉があるように、レザーバッグが傷む環境を避け、正しい保管方法を守ることも重要なポイントです。 なお、頑固なシミやダメージがある場合には、専門家に任せるのが最も安心です。
こちらのガイドが皆さまの大切なバッグを長く、きれいにお使いいただくお助け情報として提供できていることを願って。